最近、花子の不十分なところについてかなり詳しく取り上げているが、今回は一歩を引いて、花子のソフトとして便利なところを紹介したい。
もうご存じな方が多いとは思うが、花子の「文字入力ウィンドウ」を使って、文字入力をバーっと済ませてから、それを第2フェーズにレイアウトして形にすることに、花子は強いと思う。
つまり、「アイデア・プロセッサー」として、かなり自由自在に使えるのは花子の大きな特長であり、また強みだと思う。
1つの例を取り上げたいと思うが、新規図面を開き、この図のとおり、入力してみた。
文字入力ウィンドウの機能は、花子2007から搭載となったため、これは花子2007以上でしかできないことだ。
文字を打ち込みながら、入力ウィンドウの右側にある図面に、文字が次々と現れることがわかる。
入力がひととおり終わると、次はレイアウト作業だ。下記のとおり、アレンジしてみた。
■パターン1
文字入力にある入力項目を一気に選択し、右クリックをして、「長方形で囲む」を選択したら、すぐに文字枠付きの図形ができる。
ボックスの背景柄は、花子フォトレタッチで加えてみた。ボックスを選択して描画ツールの「花子フォトレタッチの起動」ボタンをクリックすると、自動的にビットマップ編集モード(花子フォトレタッチ)に切り替わる。 ドロップシャドウは、花子2008の「変形―図形効果―ドロップシャドウ」で追加できる。
■パターン2
次に、文字列を打ち直さないで、図面上の文字枠を別の風にアレンジしてみた。その結果は下記の通り。
縦の曲線は、花子のコネクタではできないため、直線だけを描き、それを選択して上と同じ「花子フォトレタッチの機動」を使って、「画像―画像のサイズ」で横に余白(キャンバス)を広げ、さらに「画像―変形―ささなみ」で波効果をつけてから、それを閉じて図面に戻った。(なお、花子2007までは、花子フォトレタッチで編集しても、透過部分は生かされないので、白いキャンバスが残ってしまう。)
この2つの例は、花子の「文字入力ウィンドウ」と「花子フォトレタッチの起動」でいかに速く、アイデアを変身できるか、1つのサンプルにすぎない。もしこれがIllustratorだと、図形を描いてからテキストボックスを被せて見た目を仕上げる、という多少面倒の多い作業が必要になる。
また、使用アプリケーションがVisioの場合、図形を描いて、選択したまま文字入力できるので便利だが、選択中のシェープを別のシェープに置き換えることは、容易にできないので、花子より面倒が多くなる。
上記のような「図の即席変身」は、花子とPowerPointくらい、割と楽にできる。花子で文字枠を図形(例:長方形)に置き換えることは、図面上の文字枠を右クリックして「図形で囲む」を選択して行える(下記の図1)。
また、文字枠を図形で囲むことをPowerPointで行う場合は、2003バージョンだと花子と似たような手順で行えるが、PowerPoint 2007だと、図形をダブルクリックして、「描画ツール」を出して、さらに「図形の変更」のボタン(ラベルは付いていないが、図のような形になっている)をクリックして図形を変更する(下記の図2)。花子より、少し手間がかかる。
なんだかんだ言っても、花子は図の再編集に強い。