「ビネット」(英明は vignette) って、なに? と、まず問いかける人が多いだろう。あまり日頃、耳にしない言葉だが、「背景をぼかした人物や風景の写真」のことだ。もっと正確に言えば、写真の被写体(撮影の対象となるもの)の周りが、背景色に消えていくような効果だ。
つまり、このような効果。
実は、花子自体には、「背景をぼかす」などの即席機能は残念ながら存在しないのだが、花子フォトレタッチの機能を借りれば、立派なビネットが作成できる。(左図は、花子フォトレタッチでできた)
また、花子フォトレタッチを使って、下の縁だけ消えていくようにする(ぼかしやフェードアウト効果)など、多彩な効果ができる。以下、紹介しよう。
■花子フォトレタッチで写真の縁にビネット処理をかける
花子フォトレタッチでこの機能を使うポイントとして、まず何かを選択しないとできないことを念頭に置こう。
以下は簡単な手順である。
- 写真やイメージを読み込む。
- CTRL+Aで画像全体を選択する。
- 選択パレットの「透明」ツール(
)をクリックして、透明ツールのコントロールパネルを開く。
- 「切り取る」にチェックを入れ、「幅」のスライダーを調節する。
左側のプレビューペインに、効果が確認できる。 - OKをクリックして、効果が反映される。
すると、このような結果ができる。(設定次第ではあるが。)
なお、でかい画像(数メガバイト以上)にこの処理を施すと、数十秒、CPUの速度とメモリーによっては1分以上がかかる場合があるので、要注意。不親切なことに、途中でキャンセルもできないので、ウェブに展開する画像の場合はあらかじめ画像―画像の拡大縮小を行っておくといいだろう。
上記のサンプル画像は、効果の設定画面で方法が「楕円」に設定した結果だ。
もう一つの面白い使い方として、操作説明書などで、画面の一部だけを見せて、後はフェードアウトするということも、花子フォトレタッチの「透明」機能で可能になる。「透明」設定画面の「切り取る」にチェックを入れ、方法を「一部」に設定し、あとは幅と角度を調節してプレビューペインで確認する。背景色を白以外の色に設定すると、さらにこの効果の応用範囲が広がる。
実は、この効果には、奥がもっと深いのだが(例えば切り取った背景を透過させたい場合にどうするかなど)、とりあえず基本はこのとおりだ。
参考にしていただければ幸いである。